F君が、中学から個別支援級に在籍したが学校の丁寧な指導のおかげで、ひらがなが割合とすらすら読めるようになってきた。

そのことを褒めたついでに
「字が読めるようになるとマンガとかやさしい本が読めるようになって楽しいよ」
と、以前に一冊の本をA君とE君とCちゃんが順番に読んで、D君も読んでみる?と渡したら途中でぐっすり眠ってしまって、起こしても起きなくて、本を取り上げてしまっても目が覚めなかったことがあったよなんて笑い話をした。

F君は興味を持ったようで、
「なんていう本?」
と聞いた。
ホントに珍しい!!
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」って、子ども向けに書かれた本。
さらにびっくりするほど珍しく
「ボクもそれ読んでみたい」
だって。
今までの彼だったらまずありえない。

「いいことだと思うよ」
と。
でも子ども向けに読みやすくやさしく書かれているけど、長い内容だし、カナはふってあるけどけっこう難しい字も使われてるし、もう少し「本を読む」ということに慣れてからの方がいいと思うと話し、せっかく読んでみたいと思うようになったのだから、やさしい、短い本を読んで練習して、慣れたら挑戦しよう。

ということで、彼が興味を持ちそうな内容「山古志村のマリと8匹の子犬」という実話の絵物語風のを半分くらいまで私が音読して
「続きは自分で読んでみて」
と貸した。

実をいうと、家に持って帰ったら読まないかもしれない。
それどころかボロボロにして返ってくるのじゃないかと心配していた。
でも読んだというし、本もボロボロになってなかったし
「とってもいい話だった」
と感想まで言った。
成長は本物かな?
だとうれしい。

今までのように一過性でなく、気持ちが持続してくれれば伸びるのだから。
そのためにはどーーーーーしても家での対応も伸びてもらわねばならない。
わが子をかわいいと「かわいがる」のと「成長の後押しをする」のは違うと認識してもらえればなおうれしいのだけど。