努力は裏切らないねー。
このところE君に連発してる。
去年、コロナ休校になってから、ずーっと漢字のやり直し授業をしている。
彼、今定時制高校2年生。
もうすぐ3年だ。
高校に入ってからの勉強は、学校でやりなおし授業を手厚くしてくれているので、今やっていることは、かなりきちんと覚えているし、わからなければ、峠に来た時に自主的に教えてもらうということも身についた。
問題なのは、すっぽり抜けている小学校、中学校の9年間。
特に、ことば、漢字。
漢字は小学校の時の先生に「漢字なんて形だけ似てればいいんだ」と言われたと主張して、まったく身についてなかった。
彼は、お調子者で、ペラペラ喋るわりには語彙数が極めて少なく、作り話ができる子ではなかったから、その小学校時の先生の話は本当だと思う。
仮にそう言ったつもりではなかったとしても、彼がそう受け止めるような言い方は個別級の先生としてはちょっとなーと思わざるを得ない。
彼はそう思い込んだのだから。
母が心配して買ってあげたワークブックもやる気なしで「少なくとも2ページはやりなさい」と言われていたからしかたなくやる。
地下鉄の中や駅のベンチで。
峠での遊ぶ時間を確保するため、2ページだけ字とも言えないようなものを書いていた。
そんなだから当然漢字は書けない。
でもマンガを読むのが好きだから、その時出てくる漢字は読める。
何しろ峠の帰りにまわり道してブックオフに寄って「デスノート」を数日かけて全巻立ち読みしてしまったくらいだから。
そんなわけで手がかりはある。
しかし無に近い土台のせいでなかなか上手くいかなかったし時間も足りなかった。
そこへコロナ休校!!
チャンスじゃありませんか!
火、木、金、土とくる日をすべて漢字の習得、ということは国語力の強化にあてた。
そして努力は裏切らないということを体現した。
字を覚える土台ができてきて、「わかってくるとなんだか面白いね」なんてセリフも出た。
繰り返し書き、ダメ出しされるうちにバランスの取れた字にもなってきた。
というわけで嬉しくて褒めまくっているのだ。