Fくんから初めて幼稚園時代の思い出話を聞いた。
今まで彼には幼い頃の記憶なんてないのかと感じていた。
小学校3年生の3学期から通い出して今まで、彼の思い出話など聞いたことがない。
それどころか現在も…(過去から続く)…曖昧だった。
時間の概念がなく、1日も1週間も1ヶ月も1年も、意識しないまま何不自由なく暮らして居た。
それを可能にしてくれたのはお母さんと(多分)おばあちゃん。

周囲が困っても彼本人は全く困らなかった。
このままではいけないんじゃないかと何となく気がついたお母さんが峠に連絡をくれてお付き合いが始まった。
気がついてくれてよかったなーーーと心から思う。

中学生になってから個別支援級となり随分と変わってきた。
彼は来る時は学校と家庭の連絡ノートも持ってきて見せてくれるので様子がわかって助かる。
丁寧な教育、支援をしてくれているのがわかって、本当にあー、良かったと思う。

おかげで、脳みその眠らされて居た部分が少しずつ開拓されてきたのを実感しているが、幼稚園の頃のことなんて初耳。
それもかなり細かくて、運動会ではあれが面白かったとかお遊戯会は嫌だったとか…。
一番楽しかったのはお餅つきでつきたてのおもちがおいしかった。
ぼくはあんこのお餅が大好きで先生にもっと食べたいと言ったらもうないよって言われた。
こんな話、彼から聞けるとは予想してなかったので面白かった。

中学生になってから、峠でもできる限り会話を増やしていて、随分話すのが上達したな…自分の感情もチラッと喋ることもあるし、と成長がわかって嬉しい。

それなのにヤツは学校ではかなりわがままを通してるようだ。
2時間続きの体育なんてやってられるかー!!!と体育館の隅で寝転がって居たと先生からの連絡帳に書いてあった。